「周りは何気なく仕事をこなしてるのに、自分だけ疲れて疲れてどうしようもない」
「こんなに毎日心をすり減らしてて、長く続けられると思えない」
「てかそもそもこんな自分に向いてる仕事なんてあるのかな・・・」
いったん悪いループに入ってしまうと、すっかり自信をなくしてしまいますよね。
HSPはただでさえメンタルを消耗しやすい性質。
なのに周りはHSPなんて言葉さえ知らないもんだから、
「また休憩?」
とか、下手すると、
「甘えてるだけだろ」
なんて心ない言葉を投げつけられることも。
でも違うんですよね。
別に甘えてるわけでもサボってるわけでもありません。
それなのにうまくいかないのは、普通の人と同じ土俵で戦おうとするからです。
それはまるで、丸裸で合戦に出るようなもの。周りはちゃんと甲冑着てるのに、自分だけハダカで防御力はゼロ。そりゃ襲われたら痛いのは当たり前。
それならちゃんと甲冑を着るか、相手の弓矢が届かない距離で戦わないといけません。
丸裸で戦い続けたあげく、めちゃくちゃ斬られた上に矢も刺さって痛いけどガマンする、みたいなことはやらないでくださいね。
今回は、丸裸でも痛くない戦い方を教えます。
どうせ仕事するなら、辛いと思いながらやるより楽しいと思ってやりたいですよね。
それならこの記事を読んで「うわ、仕事楽しい!」って心から言える仕事を見つけてください。
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HSPの仕事にまつわる誤解
HSPというと、人に会わない仕事が良いと思ってしまっていませんか?
実際、そう思うのも無理はありません。
感受性の高いHSPは、人と接することで非HSPより消耗しやすいため、それなら一人でできる仕事が向いているのでは、と考えるのはもっともです。
でも、それはもったいない!
HSPが疲れやすいのは、センサーが優れているゆえ。高性能なセンサーは、他の人なら見過ごしてしまうささいな情報を拾い上げます。
それなら、その優秀なセンサーを活かした仕事を考えてみるのも一つの手です。
もちろん、常に大勢の人に囲まれていたり、しょっちゅうクレーマーの相手をしなければいけないような仕事は避けなければいけません。
HSPが得意とするのは、一人または少数の相手とじっくり向き合い、相手が本当に求めているものを探り出すような仕事です。
欠点が目立たない仕事を探すのももちろんいいのですが、それと同じくらい長所を活かした仕事も考えてみましょう。
誤解① HSP=気が弱い
センサーが鋭敏であることは、気が弱いこととイコールではありません。
気が弱い人であれば、たしかに人と接しない仕事のほうが向いているでしょう。
ですが、HSPには必ずしも当てはまりません。
たとえば怒られたとき、気が弱い人は怯えてしまいますよね。なぜなら怖いからです。恐怖心が強いともいえますね。
しかし、HSPはセンサーが発達しているというだけで、必ずしも恐怖心が強いわけではありません。HSPだけど気が弱くない人もいます。
「いや、そんなことはない。自分はHSPだし、怖がりだ」
もしあなたがそう思ったのだとしたら、それはHSPだから気が弱いのではなく、HSPと気が弱い性質が同居しているのです。
HSPと気が弱い性質はイコールではありません。
誤解② HSPに向いてる仕事=人と接しない仕事
HSPに向いてる仕事=人と接しない仕事という誤解があると、警備員やトラックの運転手などが向いていると思ってしまいがち。
でも、これは必ずしもイコールとは限りません。
警備員やトラックの運転手に向いているのは、人と接するのが苦痛な人で、HSP全員が人と接するのが苦痛なわけではありません。
あなたが持つ、HSP以外の特質を考えた上で、やっぱり警備員が一番無理なく働けるというのなら、それはまったく問題ありません。
ですが、人と接しない仕事に限定してしまうと、選択肢が大きく狭まってしまいます。
自分の長所を活かせれば、今まで気づかなかったまったく別の選択肢に気づくかもしれませんよ。
向いてる仕事の考え方
HSPの長所に目を向けよう
長所① 人の気持ちを察するのが得意
鈍感な人は、相手の気持ちに配慮せず一方的に話し続け、結果的に気分を害されてしまうことがよくあります。
でも、HSPにはその心配はありません。
生まれつき備わった鋭いセンサーで、相手の気持ちを的確に察することができます。
この長所は、人の話をじっくり聞く仕事に向いています。
長所② 直感力に優れている
この長所も高度なセンサーのいち側面です。
直感の鋭さは、様々な場面で威力を発揮します。
閃きは何もないところから起こるわけではありません。
無意識のうちに脳に溜め込まれた情報どうしが組み合わされ、一つの結論となって意識の上に浮上してきます。
そのため、急な思いつきのように見えて、よくよく検証したら実は正しかった、ということがよく起こります。
何らかの気づきを経て、ものごとを前に進めるような仕事では、HSPの直感力は強い武器になります。
長所③ コツコツ丁寧に仕事をする
HSPは自分のペースで仕事をすることを好みます。
周りのペースに翻弄されると本来の力が発揮できない反面、自分のペースさえ守ることができれば、丁寧で完成度の高い成果を出すことができます。
そんな長所が活かせる仕事を見つけられれば、周りから信頼される人になれるでしょう。
HSP以外の特性に目を向けよう
HSPな自分に向いてる仕事を知りたい。
そう考える前に、もうひとステップを踏みましょう。
それは「HSP×○○」を考えることです。
○○とは、HSP以外のあなたの特性のこと。
特に、好きなことや得意なことです。
得意なことというと、「これなら誰にも負けない!」という分野を指すと思われがちですが、そればかりではありません(あればラッキーですが、普通の人はそんなのありませんよね)。
パフォーマンスは平凡でもいいんです。むしろ大切なのは「やっていて苦にならない、続けられる」こと。
たとえば僕は文章を書くのが好きです。うまいかと言われると自信はありませんが、少なくとも書くのが嫌になったことはありません。
嫌いじゃないということは、続けられるということ。
続けられるということは、上達するということ。
上達するということは、それが仕事にできるということ。
何かを続けられるというのは、それだけで胸を張れることです。
HSPの適職 向いてる仕事はこれだ!
カウンセラー
「HSP×共感」
カウンセラーは相手の悩みを的確に把握することが求められます。
そのときに、HSPの共感力が役に立ちます。
ふつうの人なら「この人の言ってること、わけわかんない」となるところでも、HSPは持ち前の鋭さで相手の言わんとしていることを見抜くことができます。
カウンセラーに限らず、一人の人とじっくり向き合う仕事はHSPの得意分野です。
営業
「HSP×直感力」
意外でしたか?
実は営業職は、HSPの感性を活かせる仕事のひとつでもあります。
ただしHSPが活かせる営業職には条件が2つあります。
①対個人であること
②一人ひとりの客とじっくり向き合うタイプの営業であること
具体例としては、車や不動産、高級ワインなど、大きな買い物をする個人客向けの営業が向いています。
目の前にいる人が何を求めているか感じ取れる。それは普通の人には持ち得ないすさまじいアドバンテージです。
実際、このHSPという概念を提唱したアーロン博士の著書『ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。』では、HSPで優秀な不動産のセールスマンのエピソードが出てきます。顧客に合った土地を探すのに、自分の直感力が役立つとのこと。
研究職
「HSP×直感力」
探求の世界に生きる研究者も、HSPに向いている職業の一つです。
研究者、中でも基礎研究の分野の人は純粋な人が多く、興味を突き詰めていったら研究者になっていた、というような人ばかり。
一人静かに思考し、じっくりと仮説を立て、黙々と実験に取り組むのは、HSPに適したワークスタイルといえます。
研究職というと大学を想像しますが、それだけではありません。
メーカー企業には必ず研究開発部門があります。食品、機械、製薬・・・。
営業ノルマに追いまくられるような競争はありませんし、白い巨塔のような社内政治とも無縁です。
ここでもHSPの直感力は大きな武器になります。
ニュートンはリンゴが木から落ちるのを見て万有引力を閃きました。
ふつうの人なら、同じ光景を見てもなんとも思わないでしょう。
でも、直感力の強い人は、一見関連性のなさそうなところから法則を見つけ出します。
興味を持つことができれば、HSPは優秀な研究者になれるでしょう。
コンサルタント
「HSP×傾聴力」
コンサルタントは企業のカウンセラー。まず相手の話をじっくり聞いて、問題を的確に把握することが求められます。
プレゼン能力や頭の回転ももちろんですが、それ以上に必要なのは傾聴力です。
うまくハマれば、優秀なコンサルタントになるでしょう。
農業
「HSP×コツコツ」
農業は研究者に似た資質が必要です。
畑に出ると、ずっと一人。長い時間、誰とも喋らずに黙々と作業をします。
上司に怒られることもなければ、反抗的な部下の面倒を見ることもない。人間関係という意味では気楽な仕事です。
しかしその代わり、すべて自己責任。成功も失敗も一人で引き受けなければいけません。
失敗したら、記録をじっくり眺めて「なんでだろう?」と考える。「これが原因かな?」と思ったら、また長い時間をかけて試してみる。
このあたりは研究者と似ていますね。
体を動かすのが嫌いでなければ、農業はかなりHSPに向いている職業です。
気になったら、まずは家庭菜園から試してみましょう。
エンジニア
「HSP×コツコツ」
エンジニアも完成度を求めてコツコツやる人には向いている仕事です。
プログラムは一か所でもミスがあると動きません。
最近の仕事論では「60点でいいから早く終わらせろ」という拙速を勧める声がよく叫ばれる傾向がありますが、プログラムの完成度は100点でなければリリースできません。
一人黙々とコードを書くというワークスタイルは、HSPに向いているといえます。
介護職
「HSP×奉仕精神」
HSPは相手に尽くすことで喜びを得る人が多く、そういう意味では介護施設ではやりがいのある仕事です。
体の弱ったお年寄りは、一人ではお風呂に入ることさえできません。
でも、お風呂に入ると気持ちいいのも、美味しいご飯を食べると嬉しいのも、仲の良い人とおしゃべりするのが楽しいのも、みんな同じ。
お年寄りの支えになってあげることで、自分は誰かの役に立てていると実感できます。
音楽家・画家
「HSP×感性」
HSPはその豊かな感受性を生かした、芸術方面での仕事も向いています。
ピアノの演奏会を聞いて、涙を流すほど感動した・・・そんな経験があるのなら、感性を生かした仕事は向いているといえるでしょう。
HSPに向かない仕事
HSPに向かない仕事とは、HSP特有の敏感さがマイナスに働いてしまうような仕事です。
人の悪意や敵意、それでなくても激しい感情をぶつけられるようなジャンルは避けるべきです。
またHSPの中には対人関係以外にも光や音、電磁波に敏感なタイプもいるので、そのような場合は騒音が激しい仕事に就いてしまうとストレスがたまりっぱなしになります。
自分が何に敏感なのかをまず理解して、その短所が目立たないような仕事を選びましょう。
コールセンター
コールセンターなど頻繁にクレームを浴びるようなお仕事は、HSPが不得意なジャンルの代表格です。
人との精神的な境界線の薄いHSPは、悪意や敵意をまともに受けてしまい、具合が悪くなってしまうことも。
クレーム対応力を無理に鍛えようとすると、その前にメンタルがやられかねません。
我慢を重ねたあげくうつを発症してしまっては、本来できる仕事もできなくなってしまいます。
クレーム対応のお仕事は避けましょう。
接客業
HSPは細やかな気遣いができるという長所がありますが、不特定多数を相手にする接客業でそれを発揮するのは至難の業。
理由は言わずもがなですが、対人関係で疲れやすいHSPは、大勢の人と接すると消耗が激しいからです。
スーパーで毎日おばちゃんに「早く半額シール貼ってよ!」なんて言われ続けるようなお仕事は、どちらかというと鈍感な人に向いています。
ちなみにサービス業でも向いているジャンルがあります。先ほど向いている仕事のところで挙げた営業と同じような「対個人」かつ「一人(少数)の人とじっくり向き合う」タイプのサービス業です。
レストランなら、ファミレスではなく小さな高級店。
少数のお得意様を相手にするような接客業なら、HSPは力を発揮できるでしょう。
工事現場
音に敏感なHSPの場合は、ふつうの人が気にならないような音でも騒音になってしまいます。
何もしなくとも立っているだけでストレスを感じ続ける職場は避けましょう。
さいごに 天職を探す手間を惜しまないで
天職に巡り会えるかどうかは人それぞれ。
でも、天職に巡り会えた人とそうでない人とでは、人生の幸福度に大きな差が出ます。
考えてもみてください。人は毎日、起きてる時間の7割ぐらいは仕事をして過ごすんです。
その7割を楽しく過ごせるのか?
それとも辛くて長い時間になるのか?
こう考えると、仕事選びが人生を左右するというのは大げさでもなんでもない、リアルな真実だということがわかります。
どうせなら「毎日楽しい!」って思いながら仕事をしたいですよね。
それなら、天職を探す手間は惜しまないで、悔いのないぐらい探しましょう。
同じHSPでも天職はそれぞれ違います。
たとえば同じ農業に就いても
「辛い・・・ダルい・・・やめときゃよかった・・・」
と弱音を吐き続ける人もいれば、
「もっと早く始めればよかった!なんで今まで気づかなかったんだろう!」
と逆の意味で後悔(笑)する人もいます。
どれだけ向いていると思っても、結局はやり始めてみるまでわかりません。
もし今が辛いのなら、迷わずに仕事を変えるべきです。
もちろん、次の仕事が期待外れになることだってあります。僕たちは百発百中を望みますが、百発百中は実際ありえません。
でも、その仕事が向いてなかったという気づきは得られます。次はもう間違わないですよね。
だから全然失敗なんかじゃないんです。
本当の天職に巡り合ってしまえば、それまでの苦労や失敗をぜんぶ足してもお釣りが来ます。
後悔しない人生を歩んでくださいね。
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