異動希望ってほんっっっとーに通らないですよね。
毎年「今度こそ!」と願っても、いざフタを開けてみると・・・何これ!ショック!
「転勤じゃん、しかも僻地じゃん・・・」
「残業100時間コースの激務部署じゃん・・・」
「ガンガン全国出張ある営業じゃん・・・」
異動希望書かせたのアレなんだったの?
意味あんの?
何やってんだ人事。ふざけんな!
そんな人に向けて書きました。
読み終わったあと、あなたの中に希望が生まれることを願っています。
なぜ不本意な異動ばかりなのか?
「内勤で希望出したのにゴリゴリの営業になってる!なんでだあああ!」
はい、よくあるパターンです。
異動希望ってほとんど叶えられないですよね。それならいっそ希望なんか聞いてくるなって言いたいぐらい。
でも、それには理由があります。
人事の視点
人事部の中では、個人の希望は優先順位が下です。
人事異動は人事部にとっては「巨大な玉突きゲーム」です。
一人動かしたら最低でももう二人ぐらい動かさないとうまくはまりません。
さらにその二人が動いたせいで別の人まで影響が出ます。
何十人、何百人、ときには何千人もの人をいっせいに動かして、それでも組織が破綻しないようにうまく収めなければいけません。
その難易度たるやほとんど無理ゲーの域。
しかも、異動を決める要因は一つではありません。
・会社の方針
・組織の統廃合
・社内政治
・社外圧力
・本人の希望
など、いくつもの要素が重なり合っています。
肝いりのプロジェクトには優秀な人材を配置させないといけない。
あまり注目されない部署でも、全員ポンコツだとさすがにマズイ。
そんな複雑すぎるパズルを限られた時間の中で解かないといけないわけです。
そんな状況では、個人の希望ははっきり言ってほとんど重視されません。迷ったら参考にする程度のもんです。
そうしないといつまでたっても終わりませんからね。
そのため、誰からも不満が出ないパーフェクトな人事異動は不可能。どう組んでも必ず社内からクレームが出ます。
だから僕の知り合いの人事担当は「異動したい・・・」とボヤいていました。自分の異動すら自分で動かせない人事・・・そんなもんです(笑)
このように、本人の希望と正反対の部署に異動になるのは、そもそも希望が重視されていないからです。
上司の評価
自分自身の評価と、周りの評価が違うことは、実はよくあること。
嫌な部署に異動してしまうのには、上司の意見が反映されているかもしれません。
本人「コツコツやるの好きだから事務系がいいな・・・」
上司「人の話を聞くのが上手だからカスタマーセンターがいいんじゃないか?」
→上司の意見反映
→カスタマーセンターに異動
→本人「なんでだああああ」
ってなるパターンがあります。
「好きなこと」と「得意なこと」のミスマッチですね。
異動希望は出してもムダなのか
結論から言うと、ムダじゃありません。
だから異動希望は必ず提出しましょう。
たしかに優先順位は低い。叶えられる確率も低い。それは先ほど述べたとおりです。
しかし、Aさんを異動させるか、Bさんを異動させるか迷ったときに、本人の希望は最後の決め手になります。
だから提出しておいてマイナスになることはありません。必ず出しましょう。
異動は断れる?
原則、拒否できない
異動は自分からは取り消せません。
なぜなら異動辞令は相談でも打診でもなく、職務命令だからです。
雇用関係にある以上、被雇用者は職務命令に従う義務があります(会社の業務命令権)。
従うか、さもなくば辞めるか、どちらかを選ぶしかありません。
異動を拒否できるパターン
雇用契約に「地域限定正社員」や「転勤なし」などの条件がある場合は、それを根拠として拒否できます。
注意!あくまで「契約書」に書かれているかどうかがポイントです。
求人広告には書かれていたけれど、雇用契約に書かれていない場合は、異動をさせても法令違反にはなりません。
募集要項と勤務の実情が違っていることは、マナー違反ですが法令違反ではないのです。
詐欺みたいな話ですが実際にある事例です。
もしあなたの会社がこういう会社だったなら、社員と信頼関係を築く気がない証拠です。
搾取されてボロボロになる前に辞めることを考えたほうがいいですね。
不本意な異動で眠ってた才能が開花することもある
どうにも好きになれない部署に異動したけれど、そこで思ってもいなかった才能が開花することがあります。
しかし残念ながら、それは必ずしも楽しいこととは限りません。
たとえばクレーム対応。
クレームを受けるのが好きな人はいませんよね。僕だって大嫌いです。
でも、世の中にはロクに訓練していなくてもクレームをうまく収められる人がいます。
知人の公務員からこんな話を聞いたことがあります。
彼は生活保護など福祉系の窓口業務を担当しています。生活が苦しい人たちからよくクレームを受ける部署ですね。
ときどき住民が怒鳴り込んでくるのですが、同じ部署にクレーム対応の上手な先輩がいて、その人にかかるとまるで魔法のようにうまくクレームを収められるのだとか。
最初は激怒していたのに、最後はみんなスッキリした顔で帰っていくようです。
不思議なのが、その先輩の説明を要約すると「私たちは何もできません。ごめんなさい」と言ってるだけ。
なんの解決策も提示できていないのですが、どういうわけか気持ちよく帰っていってくれる。ときにはお礼を言われることもあるのだとか。
まさにマジック。
当然ですが、その先輩もクレーム対応が好きなわけではありません。
でも明らかに向いてるんですね。
このように、好きなことと得意なことが必ずしも一致しているとは限りません。
気の進まない部署に異動したことで、ひょっとしたら「好きではないけど得意なこと」が見つかるかもしれませんよ。
その部署であなたのスキルは伸ばせるか?
望まない部署に異動して不満な気持ちはわかりますが、いったんキャリアを冷静に見つめてみましょう。
自分自身にこう問いかけてみましょう。
「この部署で過ごすことで、キャリアアップできるのか?」
イエスと即答できるのなら何も言うことはありません。応援しています。がんばってください。
でも、ノーなら?
なんのスキルも育たない、辛いだけの部署なら、長居は危険。さっさと次の仕事を探しましょう。
あなたを食わせてくれるのは会社ではありません。あなたのスキルです。
歳をとってなんのスキルも身についてない人を高給で置いておくような余裕はどこの会社にもありません。
無駄な数年を過ごした結果、食えないキャリアを歩むのか、それとも実りある仕事をこなして食うに困らないキャリアを歩むのか。
それはひとえにあなた次第です。
会社にあなたの人生のオールを預けてはいけません。自分の人生は自分で守りましょう。
なので「明らかに向いてねえな」と思う部署に異動になったら、ひそかに転職先を探すのはアリです。というか常に選択肢に入れておくべき。鬱になってからだと遅い。
リクナビNEXTとかマイナビジョブ20's(20代向け)ならスキマ時間にスマホで求人を探せますよ。
本格的に転職活動をするのでなくても、1個ぐらい登録しておけば「いざとなったら逃げられる」という精神的な安定感があります。
あなたが鬱になっても誰もあなたの人生の面倒を見てくれませんからね。
心身がまともなうちに次の船に飛び移りましょう。
辛くてうつになりそうならすぐ辞めるべき
いくら才能を見つけるためといっても、我慢にも限度があります。
せっかく時間をかけて築いた人間関係も一瞬でリセットされ、慣れない職場で気を遣いながらまたイチから人間関係を築いていかないといけない。
憂鬱ですよね。
無理して精神を病んだらマジで人生終わりです。知人を見ていて実感します。
僕の周りで、仕事でうつになった人が三人います。うち一人は僕の元上司でした。
この3人、うつになったのは5年以上前ですが、今でも誰一人治っていません。
いったんうつになると、回復したようにみえてもちょっとしたストレスですぐに再発するんです。
健康な人だと「嫌だけどしょうがないか」で済んでしまうことでも、簡単に病休3ヶ月コースになっちゃいます。
トラウマ体験のフラッシュバックが一生続く人生なんて絶対に嫌ですよね。
だからうつになりそうになったらすぐ逃げてください。
心身の健康あってこその人生です。
辞めたいとき、退職理由はなんて言う?
パターンは3つあります。
①前向きに言う
②辞めざるを得ない理由を作る
③一身上の都合で押し通す
①前向きに言う
理由は前向きなものが理想です。
「キャリアアップのためにもっと○○な場所で働きたくて、この会社ではそれができないのでしょうがなく辞めます」
という感じ。
この会社が嫌になったわけじゃないんだよ、という言い方ですね。
誰しも本音はあると思います。
「あんたがいなかったらもうちょっと楽しくやれてたよ」
「給料安すぎだろ。残業代ちゃんと払えや」
・・・というホンネは胸の奥にしまっておきましょう。大人ですし。
なお、転職先がすでに決まっていて、発言内容と矛盾が生じる場合は、「転職先は決まってない」と言いましょう。
②辞めざるを得ない理由を作る
2点目は、自分の希望じゃないけど成り行き上しょうがなく、というものです。
オーソドックスなのは、
「実家を継ぐことになった」
です。
飲食店だと検索される可能性があるのでネットに載ってなくてもおかしくないBtoBビジネスにしましょう。卸業が無難です。
問題は嘘であることです。
すでに転職先が決まっている場合は、今の会社と関わる可能性が少しでもあるならこのパターンはオススメしません。
バレたら気まずいですからね。
③一身上の都合で押し通す
3つ目は理由を語らず一身上の都合で押し通すやり方です。
法律上、辞める理由を話さなければいけない理由はありません。
ただし、上司は辞める理由を知りたがるのが普通です。
話さないというのは「あなたを信頼していません」というメッセージですから、残りの期間を居心地の悪い状態で過ごすことになります。